アメリカの首都であるワシントンD.C.の一角に、この店は位置する。都会の喧騒とは無縁の『butter milk』は、オーナーが半ば趣味で運営しているコーヒー店だ。店内に流れる静かなジャズ音楽とコーヒーのほろ苦い香りが、穏やかな気持ちをもたらしてくれる。
クラリス・ウォーカーがその奇妙な青年と出会ったのは、あのニューヨークの戦いから1年ほどたった冬のこと。マスターが買い出しに行き、一人で店番をしているときだった。